矢継ぎ早です。
今朝の日経新聞(3面)に、「日本政府がAIの法規制の検討に乗り出した」として、22日に開催された政府の「AI戦略会議」の会合の報告と、欧米との簡単な比較が掲載されていました。
この日の会合では「今後のAI法規制検討に関する論点」が提示されたとのことで、その中で、「全体としては法的拘束力のないソフトローとするが、一部領域をハードローで補完する考え方」が強調されたとの点が印象的です。
この記事には、日本・アメリカ・EUの規制の強さを比較する図表も掲載されていて、法規制の在り方にかかわるそれぞれの基本的な姿勢が分かりやすく対比されていると思います。
私個人的には、EUは「現状と、ゴールを明確に整理・踏まえた上で、ハードローで達成しようとする」「ゴールが個人の権利の保護や実現である場合、達成のための厳格な道筋を法定する」という個性を持っていると感じています。一方日本は、「バランス重視」。「個人の権利保護」の対極にいつも「産業の育成・保護」がおかれ、前者と後者との適正なバランスを模索するという基本的な考え方。その「適正」さの判断基準をどこに置くかが大問題で、EUと日本ではそこがだいぶ違う。
このAI法規制については、今夏に有識者会議を立ち上げて事業者等の意見を聞いた上で、来年の通常国会に法案を提出する方向とのことです・・・
ところで、「AI規制法成立」は、EU委員会からの発表がみつからなかったのですが、
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/home/en
EU理事会が21日付けで発表していました!
https://www.consilium.europa.eu/en/press/press-releases/2024/05/21/artificial-intelligence-ai-act-council-gives-final-green-light-to-the-first-worldwide-rules-on-ai/