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EUの動きなど 1

2024年4月30日

欧州委員会は、フェイスブックとインスタグラムを運営するメタ社(Meta Platforms, Inc. アメリカ・カリフォルニア州)に対し、DSA(デジタルサービス法)違反の有無を調査する正式手続きを開始したと発表しました:

欧州委員会プレスリリース2024年4月30日https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/IP_24_2373

欧州委員会は、フェイスブックとインスタグラムを提供するメタ社がデジタルサービス法(DSA)に違反した可能性の有無を評価する正式な手続きを開始した。

メタ社のサービスにおける詐欺的広告と政治的コンテンツに関する方針と慣行に関する疑いである。また、欧州議会選挙を控え、メタ社がリアルタイム監視ツール「CrowdTangle」を適切な代替手段なしに廃止したことから、メタ社がリアルタイムでの効果的な社会内の議論や選挙監視のための第三者ツールを提供していないとして問題視している・・・

欧州議会選挙は、今年の6月6日から9日にかけて行われることになっています。

このプレスリリースに引用されている以下のコメントを見ると、今回の手続き開始のイミや背景がよくわかります:

欧州委員会は、第三国によるターゲットを絞った偽情報や情報操作から欧州市民を守るための手段を構築しています。ルール違反の疑いがあるときは、私たちは行動します。常にそうですが、民主的な選挙の際には特にそうです。大きなデジタル・プラットフォームは、これに十分な資源を投入する義務を果たさなければなりません。今日の決定は、私たちがコンプライアンスについて真剣なのだということを示しています。民主主義を守ることは、加盟国との共通の戦いなのです。

欧州委員会委員長 Ursula von der Leyen氏

オンラインで目にするコンテンツが信用できると確信できなければ、結局何も信じられなくなってしまうリスクがあります。ダマし広告は、私たちのオンライン上での討論、究極的には消費者であり市民としての私たちの権利にとってリスクです。私たちは、メタ社のモデレーション(注:ネット上のコンテンツをチェックし、不適切なものを削除する機能)が不十分であり、広告やコンテンツのモデレーションのプロセスが透明性に欠けているのではないかと考えています。そこで本日、メタのDSAの遵守状況を評価するため、同社に対する手続きを開始しました。

デジタル時代に適合した欧州担当副委員長 Margrethe Vestager

インスタグラムやフェイスブックなどのソーシャルメディア上で意見や情報が高速かつ広範囲に拡散されることは、大きな機会を提供するものです。しかし、オンライン・プラットフォームは、ウソの情報の拡散や外国からの干渉に対して、脆弱でもあります。特に選挙を控えた時期にはそうです。我々は、メタについて、ダマし広告や政治的コンテンツに関するDSAの義務に違反し、研究者やジャーナリストや有権者にリアルタイムの監視ツールや違法コンテンツにフラグを立てるための効果的なメカニズムを提供していない疑いがあるため、その違反に関する正式な手続きを開始するのです。

欧州委員会域内市場担当委員Thierry Breton

これから私自身の研究・整理もかねて、そもそもDSAとは何なのか、EU法とは何なのか、さらにそもそも、そんな法を作っている、作り続けている、そして、確固として遂行している、ヨーロッパとは、どんな場所なのか、そんなことについて、少しずつ書いていきたいと思います。